K2 picture K2は、標高8,611m、世界第二位の高さの山であり、その存在感からThe mountain of mountainsとも呼ばれています。
 とにかく、格好のいい山です。

 この山を取り巻く伝説の中には、
・1986年:1シーズンに13人が亡くなった。「黒い夏」
・2008年:セラックの崩壊で11人が亡くなる
・2004年:それまでに登頂を成功させた5人の女性が、登山で命を落とす 等、遭難にまつわるものが多いのです。


 でも、実は多くの日本人が登った山でもあります。

 K2の登山は、パキスタンの奥地にあるバルトロ氷河を、徒歩で一週間程さかのぼり、インドとの紛争地帯のカラコルム山脈に辿り着くところから始まります。
 ネパールと違い、ここではロッジに宿泊したり、民間ヘリコプターで現地入りみたいな、軟弱な手段は期待できません。厳しい山容が続く中を、ひたすら歩くところが、最初の関門です。

 そして今年は、残念ながら、K2の頂上は遠かった。
 誰も登れませんでした。
 我々の場合も、ルートに取り付き、順応を終え、そしていよいよ頂上アタックという所まできた時に、登山のできるシーズンが終わってしまいました。

 K2は恥ずかしがりやの山だと言われています。
 我々には、少ないチャンスを活かすための手段が必要でした。今年は我々だけではなく、誰も登れなかったのですが、全く手段が無かったわけではないのです。
 少なくとも7月の頭の時点では...