Diary of 5/31-
Summit climbing

trecking on the gracier

トレッキング・キャンプの標高
 アスコーレ/Askolee 3,055m ★☆
 ジョラ/Jhola 3,189m ★
 スカムツォク/Skam Tsok 3,201m ☆
 パイユ/Paiyu 3,400m ★
 コブルツェ/Khobrutse 3,824m ☆
 ウルドゥカス/Urdokas 4,050m ★
 ゴレ2/Gore2 4,297m ★☆
 コンコルディア/Concordia 4.590m ★
 ブロードピークベースキャンプ/BPBC 4,800m
 K2ベースキャンプ/K2BC 4,980m ★☆
★:行きの宿泊キャンプ(6日+休養日で移動)
☆:帰りの宿泊キャンプ(4日で移動)


6/21 @Askolee (3,055m)


gateゲート4:30 起床。少しストレッチをする。5時にお茶を飲み、6時に朝食。トレッキングの始まりだ。

6:40 出発。30分程歩いて、公園の管理局のゲートで名前を登録する。

 そこから氷河まで、ブラルドゥ川沿いに、アップダウンをisle
繰り返しながら、渓谷を遡っていく。
 ここはかなり上流なのだが、川幅は広く、またところどころ海岸のような細かい砂の土地が続く。

 シェルパが歩くスピードをあげた。直ぐに見えなくなる。すると、自然と引っ張られて、皆が速くなる。

road riverside 4時間近く歩くと、ブラルドゥ川に対して、左手側からドモルド川が合流してくる。川に削られた岸壁を高巻きしながら、道は一旦、ドモルド川を遡る。

 30分弱、遡った後、細い流れのところで橋を渡り、反対岸から今度は下っていく。再びブラルドゥ川に突き当たる途中に、今日泊まるジョラのキャンプ場がある。
 
11:30 4時間半で着いた。予定は7時間なので、速過ぎだ。jholaJhola
普通のペースなら9時間はかかるだろう。

 ジョラには沢山のトイレがあった。なぜこんなに建てたのだろう?この後のキャンプ場でも、トイレだけは豊富にあった。

 ポーターが来るまで、テントを建てられないので、ランチを食べて待つ。
 ランチは、ゆで卵、クラッカー、チーズ、ナッツが少々といったところだ。可もなし不可もなし。

 雨が降り、直ぐに止む。日が射すと暑い。この高度でも気温は30℃近くはあるのではないか。

 今回の遠征には、約400人のポーターが参加しているそうだ。ものすごい数だ。食料や機材等、その殆どはベースキャンプまで運ばれる。そして、帰りは、荷物もポーターも半分ほどになる。

 トレッキング中は日本人のIさんとテントをシェアだ。彼はとても山慣れているので、快適に過ごせそうだ。
20:30 就寝

6/22 @Jhola(3,189m)


4:45 起床 5時にお茶を飲み、5時半に朝食jhola dep

6:10 出発 少し風がある。フーディニを着て出発だ。
 ドモルド川沿いに下り、直ぐにブラルドゥ川につきあたる。アーミーキャンプが見えた。赤い旗が立っている。

riverside road2 ブラルドゥ川沿いに上っていく。道は複数あり、合流したり、分岐したりを繰り返している。尾根通しの道もあれば、崖をトラバースしている道や、川原に続いている道もあった。

 日本の山登りでは、尾根通しが、結局は楽なコースになることが多いのだが、ここでは川原が楽になることが多かった。しかし、なにより、ポーターが進んでいく道に着いていくのが正しいようだ。

 砂地を歩くと海岸トレーニングのように足に重みがずっしりくる。sand road
 靴の中に砂をいれたくないので、普通より丁寧に歩き、ソフトに着地する。所々に丸石が隠れていて、踏み込むと転がり、バランスを崩される。疲れる道だ。

 
 パイユのキャンプ場の手前で、道は大きく高巻きをする。川の向こう岸に、別のアーミーキャンプが見える。再び、川原まで下りると、後は一時間もしないでパイユに着く。

paiyuPaiyu12:30 パイユのキャンプ場は小さな林となっていた。山裾からの水も豊富に流れている。
 トイレも沢山あった。

 今日は、約5時間半の行程だった。もともとは8時間の予定なので、昨日よりはゆっくりのペースか。しかし、このペースは鍛えられる。明日はここにとどまって休息をとる予定だ。

 暑い。30度は上回っている。トイレの建物の中に、シャワー室がある。バケツの水を持ち込んで、行水をするための箱だ。久々に全身を洗う。ついでにシャツと帽子も洗った。
 その後はテントでゆっくりする。こんなときにkindleは便利だ。

20:30 就寝 隣のテントからアレックのいびきが聞こえる。
 アレックと同室の田村さんは、本当にいびきに強いなと思う。

6/23 @Paiyu(3,400m)



paiyuPaiyu5:30 起床 7時から8時にかけてゆっくり朝食

 今日も天気がいい。干し物Dayだ。寝袋、シャツ、ズボン、ソーラパネル。
 風が出てきた。砂埃が舞う。テントも、干し物も、服も、細かい砂まみれになる。しょうがない。この後、数日は砂っぽい中で過ごすことになる。

 ビリーは多彩だ。コアマッスル・エクササイズのインストラクターもやっているらしい。
 これまでの遠征でも、ヨガを教える人はいたが、彼女はプロだ。
 皆で並んでエクササイズをした。ポーター達が輪を作って我々を眺めていた。

 近くでゾッキョを解体していた。牛とヤクの間にできる交配種だが、Zokkyo
少し毛深い牛に見える。普通は荷物運搬に使うのだが、今回はポーター達の食料にするようだ。解体した後、細かい肉の塊を沢山つくり、ポーターに分配する。

 キャンプで、ゆきちゃんという日本人と会った。パキスタンのチームに参加して、我々と同じようにK2を目指していた。いわゆるノーマルルートであるアブルッツィールートから登るらしい。
 その隊は、登山者が二人なので、実際はギャレット隊と共同で登っていくことになるだろう。

山羊 今日のディナーは山羊のトマト煮。そういえば連れてきていたヤギが一匹消えていた...

21:00 就寝。今日は遅めだ。

6/24 @Paiyu


road on the gracier4:35 起床 5時 朝食
6:00 出発 30分程歩いて、氷河の末端まで辿り着く。そこからアップダウンを繰り返し、100m程の高度をかせぐ。
 もともと川の右岸(上流に向かって川の左側)にいたのだが、左岸側まで横切り、そこから左岸の崖を高巻きしながら上流へ遡る。


 途中で足を滑らせて、岩で胸を打つ。かなり強く打った。その後、road on the gracier2
押すと痛い。ひびが入ったかもしれない。どうしようもないので、放っておく。

 雨が強くなったり、弱くなったりしている。この日は特に、傘が役に立った。


river crossing 途中のコブルツェまで4時間半。コブルツェの手前で、川を渡る。そこそこの水量で、皆、靴を脱いで渡渉をしている。私は、少し無理をして、石伝いに飛び渡った。


 コブルツェでランチ。
 そこからウルドゥカスまで2時間半。前にも後ろにも人がいなくなり、雨の中、半分、迷いながら進んでいった。

13:00 ウルドゥカスのキャンプ場に着くと、ますます雨が強くなった。
 テントもなにもかもWetだ。とっても悲惨な感じだ。もうテントから出たくない。
 予定では10時間のところを7時間で着いた。
 この日は、夜にもかなり胸が痛んだ。

UrdokasUrdokas

6/25 @Urdokas(4,050m)


 夜、雨はなかなかやまなかったが、明け方には静かになった。

5:00 起きてみると雪だった。出発止め。今日は沈だ。二度寝に入る。
 10時ごろには、雪は殆どやんだが、三度寝で眠り続ける

13:00 ランチ後にまた雪が強くなる。テントでまた寝る。

夕方にはついに雪がやんだ。向かいの山容が美しい。Great TowerGreat Tower
ウリビアホの先鋭なシルエットや、グレートタワーの大きな壁が良く見える

 夕食は、山羊カレー。また一匹、消えたらしい。
21:00 就寝 自分のことながら、よく寝れるものだ。

6/26 @Urdokas


gracier and g45:30 起床。急いで出発の支度をする。
6:30 出発 アップダウンのあるモレーンを進む。左岸から、段々、氷河の中央部によってくる。
8:30 ほぼ、氷河中央のコースになる。段々、アップダウンが緩やかになってきた。
9:30 ゴレのキャンプ場を通過



10:30 ゴレ2のキャンプ場に到着。7時間の予定を4時間半で着いた。gore2Gore2
この日は楽な行程だった。テントを雪の上に建てる。

 天気は良かったが、昼食後に雪になった。しばらくしてまた晴れる。そして15時ごろまた雪になる。変わりやすい天気だ。
 昨日の雨でついたどろどろを雪が洗い流しくれるようだ。

donky 荷物を運んでいるロバの一頭が、荷縄がすれて皮がむけた。かなり痛々しい。
 飼い主は、我々のチームドクターにロバを連れてきた。彼も動物を診るのは初めてだろう。消毒して、包帯を巻いていた。しかし、これは体に当て布をしていない飼い主が、完全に悪い。


 トイレへ行くと少し便が柔らかい。正露丸で調整をする。
 午後も遅くなると、雪が激しさを増してきた。
19:50 早めだが就寝。

6/27 @Gore2(4,297m)


snow walk5:30 雪が降っていた。これは予想通りだ。二度寝体制にはいる。
6:15 雪がやんだ。やられた!急いで出発の支度。
7:30 小雪の中、出発。


 有名なコンコルディアのキャンプ場は、バルトロ氷河の終端で、ゴドウィンオースティン氷河に、T字路の様にぶつかるところにある。



12:00 雪深い中、アーミーキャンプを過ぎ、コンコルディアにConcordia and Broad PeakConcordia and Broad Peak
着いた。残念ながら、雪と雲の中で、あまり視界はよろしくない。

 ポーターが荷物を置きだした。本当はここから2時間ほどのブロードピークのベースキャンプまで行く予定だったのだが、これ以上は行きたくないらしい。しょうがない、ここでキャンプだ。

 午後から、天気が良くなりだした。再び、干し物の日だ。でも、ガッシャーブルムの山々はまだ雲の中だ。ここからの景色を楽しみにしてたのに!
20:30 就寝だが、遅くまでKindleを読んだ。

6/28 @Concordia(4.590m)


4:45 起床 天気は良かったが、日陰なので寒い。
6:30 出発。氷河のモレーン歩きだ。氷の上と石の上が半々位か。小さなクレバスが目立つ。

footprint 道を横切って、猫のような足跡が続いている。これは雪豹か?雪豹なのか...?道と交差して、離れてまた交差する。
 いつか会ってみたい雪豹。残念ながら今回もかなえられなかったが。


9:30 ブロードピークベースキャンプ着。3時間かかった。ChogolisaChogolisa
 予想以上に遠い。ここからK2の麓が見えているが、まだまだかかりそうだ。

 振り返ってみると、遠くに、台形をしたチョゴリザが美しく見える。この山は、離れた方がよく見えるのだ。


11:30 K2ベースキャンプ着。
 K2 BCはブロードピークとK2に挟まれた谷の氷河の上にある。谷の中でも、他の隊と比べて少し下流側にキャンプを構えた。


porterなぜか偉そうなポーター しばらくして、ポーターがベースキャンプに到着しだした。設営を始める。 
 氷河の上には大きな石やがれきが積もり、その上に雪がうっすらと覆っている。でこぼこの地面を馴らしてテントを張った。

 日が照ると暑くなるが、風は冷たく、時々、強く吹いた。雪もちらつく、本当に変わりやすい天気だ。

 キッチンテント、ダイニングテント、小用トイレ、シャワーブース等、設営するものは沢山ある。大用トイレのテントだけは常設で、公園の管理局がメンテナンスをしている。

15:00 遅いランチ。ラーメンスープとパスタ。パスタはまずかった。

 少しくつろぐ。読書。
 寒くなってきた。8000m峰に挟まれた谷間に冷気が降りる。
 久々にSPO2を測る。83%/70bpm、順応はできているようだ。

18:30 ディナー。なんとワインが出た。なけなしのボトルの赤と、紙パックの白だ。二週間ぶりのお酒だが、カップ1/3位の量になった。

 飯は、チキンのミートボール、野菜カレー、ダル。
 少し遅れてチキンナゲットが届き、外人たちは盛り上がった。外人は本当にチキンナゲットが大好きだ。ついでに、フライドポテトとピーナッツバターも。

 ついにBCに来た。でもまだ高所登山の実感がわいてこない。いつ、気持ちのギアを上げていくか..

20:15 就寝。今回の遠征で初めて、ダウンパンツを出し、床にはエアマットを敷く。
 テントの床の上には、ウレタンマットで三層つくり、その上にエアマットを敷いたので4層構造となった。下からの冷え対策としてはばっちりだ。