トレッキング・キャンプの標高
アスコーレ/Askolee 3,055m ★☆
ジョラ/Jhola 3,189m ★
スカムツォク/Skam Tsok 3,201m ☆
パイユ/Paiyu 3,400m ★
コブルツェ/Khobrutse 3,824m ☆
ウルドゥカス/Urdokas 4,050m ★
ゴレ2/Gore2 4,297m ★☆
コンコルディア/Concordia 4.590m ★
ブロードピークベースキャンプ/BPBC 4,800m
K2ベースキャンプ/K2BC 4,980m ★☆
★:行きの宿泊キャンプ(6日+休養日で移動)
☆:帰りの宿泊キャンプ(4日で移動)
6/21 @Askolee (3,055m)
ゲート4:30 起床。少しストレッチをする。5時にお茶を飲み、6時に朝食。トレッキングの始まりだ。
6:40 出発。30分程歩いて、公園の管理局のゲートで名前を登録する。
そこから氷河まで、ブラルドゥ川沿いに、アップダウンを
繰り返しながら、渓谷を遡っていく。
ここはかなり上流なのだが、川幅は広く、またところどころ海岸のような細かい砂の土地が続く。
シェルパが歩くスピードをあげた。直ぐに見えなくなる。すると、自然と引っ張られて、皆が速くなる。
4時間近く歩くと、ブラルドゥ川に対して、左手側からドモルド川が合流してくる。川に削られた岸壁を高巻きしながら、道は一旦、ドモルド川を遡る。
30分弱、遡った後、細い流れのところで橋を渡り、反対岸から今度は下っていく。再びブラルドゥ川に突き当たる途中に、今日泊まるジョラのキャンプ場がある。
11:30 4時間半で着いた。予定は7時間なので、速過ぎだ。Jhola
普通のペースなら9時間はかかるだろう。
ジョラには沢山のトイレがあった。なぜこんなに建てたのだろう?この後のキャンプ場でも、トイレだけは豊富にあった。
ポーターが来るまで、テントを建てられないので、ランチを食べて待つ。
ランチは、ゆで卵、クラッカー、チーズ、ナッツが少々といったところだ。可もなし不可もなし。
雨が降り、直ぐに止む。日が射すと暑い。この高度でも気温は30℃近くはあるのではないか。
今回の遠征には、約400人のポーターが参加しているそうだ。ものすごい数だ。食料や機材等、その殆どはベースキャンプまで運ばれる。そして、帰りは、荷物もポーターも半分ほどになる。
トレッキング中は日本人のIさんとテントをシェアだ。彼はとても山慣れているので、快適に過ごせそうだ。
20:30 就寝
6/22 @Jhola(3,189m)
4:45 起床 5時にお茶を飲み、5時半に朝食
6:10 出発 少し風がある。フーディニを着て出発だ。
ドモルド川沿いに下り、直ぐにブラルドゥ川につきあたる。アーミーキャンプが見えた。赤い旗が立っている。
ブラルドゥ川沿いに上っていく。道は複数あり、合流したり、分岐したりを繰り返している。尾根通しの道もあれば、崖をトラバースしている道や、川原に続いている道もあった。
日本の山登りでは、尾根通しが、結局は楽なコースになることが多いのだが、ここでは川原が楽になることが多かった。しかし、なにより、ポーターが進んでいく道に着いていくのが正しいようだ。
砂地を歩くと海岸トレーニングのように足に重みがずっしりくる。
靴の中に砂をいれたくないので、普通より丁寧に歩き、ソフトに着地する。所々に丸石が隠れていて、踏み込むと転がり、バランスを崩される。疲れる道だ。
パイユのキャンプ場の手前で、道は大きく高巻きをする。川の向こう岸に、別のアーミーキャンプが見える。再び、川原まで下りると、後は一時間もしないでパイユに着く。
Paiyu12:30 パイユのキャンプ場は小さな林となっていた。山裾からの水も豊富に流れている。
トイレも沢山あった。
今日は、約5時間半の行程だった。もともとは8時間の予定なので、昨日よりはゆっくりのペースか。しかし、このペースは鍛えられる。明日はここにとどまって休息をとる予定だ。
暑い。30度は上回っている。トイレの建物の中に、シャワー室がある。バケツの水を持ち込んで、行水をするための箱だ。久々に全身を洗う。ついでにシャツと帽子も洗った。
その後はテントでゆっくりする。こんなときにkindleは便利だ。
20:30 就寝 隣のテントからアレックのいびきが聞こえる。
アレックと同室の田村さんは、本当にいびきに強いなと思う。
6/23 @Paiyu(3,400m)
Paiyu5:30 起床 7時から8時にかけてゆっくり朝食
今日も天気がいい。干し物Dayだ。寝袋、シャツ、ズボン、ソーラパネル。
風が出てきた。砂埃が舞う。テントも、干し物も、服も、細かい砂まみれになる。しょうがない。この後、数日は砂っぽい中で過ごすことになる。
ビリーは多彩だ。コアマッスル・エクササイズのインストラクターもやっているらしい。
これまでの遠征でも、ヨガを教える人はいたが、彼女はプロだ。
皆で並んでエクササイズをした。ポーター達が輪を作って我々を眺めていた。
近くでゾッキョを解体していた。牛とヤクの間にできる交配種だが、
少し毛深い牛に見える。普通は荷物運搬に使うのだが、今回はポーター達の食料にするようだ。解体した後、細かい肉の塊を沢山つくり、ポーターに分配する。
キャンプで、ゆきちゃんという日本人と会った。パキスタンのチームに参加して、我々と同じようにK2を目指していた。いわゆるノーマルルートであるアブルッツィールートから登るらしい。
その隊は、登山者が二人なので、実際はギャレット隊と共同で登っていくことになるだろう。
今日のディナーは山羊のトマト煮。そういえば連れてきていたヤギが一匹消えていた...
21:00 就寝。今日は遅めだ。
6/24 @Paiyu
4:35 起床 5時 朝食
6:00 出発 30分程歩いて、氷河の末端まで辿り着く。そこからアップダウンを繰り返し、100m程の高度をかせぐ。
もともと川の右岸(上流に向かって川の左側)にいたのだが、左岸側まで横切り、そこから左岸の崖を高巻きしながら上流へ遡る。
途中で足を滑らせて、岩で胸を打つ。かなり強く打った。その後、
押すと痛い。ひびが入ったかもしれない。どうしようもないので、放っておく。
雨が強くなったり、弱くなったりしている。この日は特に、傘が役に立った。
途中のコブルツェまで4時間半。コブルツェの手前で、川を渡る。そこそこの水量で、皆、靴を脱いで渡渉をしている。私は、少し無理をして、石伝いに飛び渡った。
コブルツェでランチ。
そこからウルドゥカスまで2時間半。前にも後ろにも人がいなくなり、雨の中、半分、迷いながら進んでいった。
13:00 ウルドゥカスのキャンプ場に着くと、ますます雨が強くなった。
テントもなにもかもWetだ。とっても悲惨な感じだ。もうテントから出たくない。
予定では10時間のところを7時間で着いた。
この日は、夜にもかなり胸が痛んだ。
6/25 @Urdokas(4,050m)
夜、雨はなかなかやまなかったが、明け方には静かになった。
5:00 起きてみると雪だった。出発止め。今日は沈だ。二度寝に入る。
10時ごろには、雪は殆どやんだが、三度寝で眠り続ける
13:00 ランチ後にまた雪が強くなる。テントでまた寝る。
夕方にはついに雪がやんだ。向かいの山容が美しい。Great Tower
ウリビアホの先鋭なシルエットや、グレートタワーの大きな壁が良く見える
夕食は、山羊カレー。また一匹、消えたらしい。
21:00 就寝 自分のことながら、よく寝れるものだ。
6/26 @Urdokas
5:30 起床。急いで出発の支度をする。
6:30 出発 アップダウンのあるモレーンを進む。左岸から、段々、氷河の中央部によってくる。
8:30 ほぼ、氷河中央のコースになる。段々、アップダウンが緩やかになってきた。
9:30 ゴレのキャンプ場を通過
10:30 ゴレ2のキャンプ場に到着。7時間の予定を4時間半で着いた。Gore2
この日は楽な行程だった。テントを雪の上に建てる。
天気は良かったが、昼食後に雪になった。しばらくしてまた晴れる。そして15時ごろまた雪になる。変わりやすい天気だ。
昨日の雨でついたどろどろを雪が洗い流しくれるようだ。
荷物を運んでいるロバの一頭が、荷縄がすれて皮がむけた。かなり痛々しい。
飼い主は、我々のチームドクターにロバを連れてきた。彼も動物を診るのは初めてだろう。消毒して、包帯を巻いていた。しかし、これは体に当て布をしていない飼い主が、完全に悪い。
トイレへ行くと少し便が柔らかい。正露丸で調整をする。
午後も遅くなると、雪が激しさを増してきた。
19:50 早めだが就寝。
6/27 @Gore2(4,297m)
5:30 雪が降っていた。これは予想通りだ。二度寝体制にはいる。
6:15 雪がやんだ。やられた!急いで出発の支度。
7:30 小雪の中、出発。
有名なコンコルディアのキャンプ場は、バルトロ氷河の終端で、ゴドウィンオースティン氷河に、T字路の様にぶつかるところにある。
12:00 雪深い中、アーミーキャンプを過ぎ、コンコルディアにConcordia and Broad Peak
着いた。残念ながら、雪と雲の中で、あまり視界はよろしくない。
ポーターが荷物を置きだした。本当はここから2時間ほどのブロードピークのベースキャンプまで行く予定だったのだが、これ以上は行きたくないらしい。しょうがない、ここでキャンプだ。
午後から、天気が良くなりだした。再び、干し物の日だ。でも、ガッシャーブルムの山々はまだ雲の中だ。ここからの景色を楽しみにしてたのに!
20:30 就寝だが、遅くまでKindleを読んだ。
6/28 @Concordia(4.590m)
4:45 起床 天気は良かったが、日陰なので寒い。
6:30 出発。氷河のモレーン歩きだ。氷の上と石の上が半々位か。小さなクレバスが目立つ。
道を横切って、猫のような足跡が続いている。これは雪豹か?雪豹なのか...?道と交差して、離れてまた交差する。
いつか会ってみたい雪豹。残念ながら今回もかなえられなかったが。
9:30 ブロードピークベースキャンプ着。3時間かかった。Chogolisa
予想以上に遠い。ここからK2の麓が見えているが、まだまだかかりそうだ。
振り返ってみると、遠くに、台形をしたチョゴリザが美しく見える。この山は、離れた方がよく見えるのだ。
11:30 K2ベースキャンプ着。
K2 BCはブロードピークとK2に挟まれた谷の氷河の上にある。谷の中でも、他の隊と比べて少し下流側にキャンプを構えた。
なぜか偉そうなポーター しばらくして、ポーターがベースキャンプに到着しだした。設営を始める。
氷河の上には大きな石やがれきが積もり、その上に雪がうっすらと覆っている。でこぼこの地面を馴らしてテントを張った。
日が照ると暑くなるが、風は冷たく、時々、強く吹いた。雪もちらつく、本当に変わりやすい天気だ。
キッチンテント、ダイニングテント、小用トイレ、シャワーブース等、設営するものは沢山ある。大用トイレのテントだけは常設で、公園の管理局がメンテナンスをしている。
15:00 遅いランチ。ラーメンスープとパスタ。パスタはまずかった。
少しくつろぐ。読書。
寒くなってきた。8000m峰に挟まれた谷間に冷気が降りる。
久々にSPO2を測る。83%/70bpm、順応はできているようだ。
18:30 ディナー。なんとワインが出た。なけなしのボトルの赤と、紙パックの白だ。二週間ぶりのお酒だが、カップ1/3位の量になった。
飯は、チキンのミートボール、野菜カレー、ダル。
少し遅れてチキンナゲットが届き、外人たちは盛り上がった。外人は本当にチキンナゲットが大好きだ。ついでに、フライドポテトとピーナッツバターも。
ついにBCに来た。でもまだ高所登山の実感がわいてこない。いつ、気持ちのギアを上げていくか..
20:15 就寝。今回の遠征で初めて、ダウンパンツを出し、床にはエアマットを敷く。
テントの床の上には、ウレタンマットで三層つくり、その上にエアマットを敷いたので4層構造となった。下からの冷え対策としてはばっちりだ。