Lotseface climbing
Everestキャンプの標高
EBC 5,200m
C1 6,000m
C2 6,400m
C3(High camp) 7,400m
C4 7,900m
Summit 8,848m
4/28 @EBC
Night climbing @ icefall
01:30 起床
02:00 朝食
02:30 出発
氷河に沿って、ベースキャンプ村を上っていく。我々は最下流にいるので、ほぼ一番上のキャンプの手前まで、45分をかけて歩いていく。
真っ暗の中、ヘッドライトをつけて歩くのだが、じゃりじゃりの坂、浮石、凍ってつるつるの川と、気を抜けない歩きが続く。
真っ黒の鏡のような氷は、踏みつけた後、一呼吸置いてから滑り始める。足元がだまされるのだ。一度、しりもちをついてしまった。もう、だまされないぞ。
03:15 氷河の横断始まり
そこから、今度は、氷河を横切る形で、右に曲って直進をする。
氷河は波打って、落とし穴のような割れ目の下に、黒い川が顔を覗かせている。薄い氷の表面を踏み抜いたら、足はびしょびしょだ。
少し進むと、氷河は高い丘をつくり、丘の斜面にびっしりと、50cmはある尖塔が生えている。ペニテンテスだ。その間を縫うように進む。
遠くには、他の隊のメンバーのヘッドライトが見えた。我々の先を進んでいる。他の隊のシェルパだろう。
段々、斜度がきつくなり、アイゼンが必要となった。いったん止まりアイゼンを履いた後、大きくうねった氷河の丘を越えていく。
また少し歩くと、アイスフォールの直下のFixed Ropeが始まっていた。ここまで、横切ってから45分。
Vertical slpe @ icefall
04:00 Fixed Rope始まり
カラビナをFixed Ropeにかけ、安全確保して登る。すぐに氷の垂壁にぶつかる。そしてまた、5メートルくらい上から、垂壁は斜面となり。段々なだらかになっていく。
ルートはまた下って上る。おおきなうねりをもった地形を、縫うように登っていく。1時間も歩くと、空は明るくなってきた。ハーディープが遅れているようだ。
このアイスフォールでは、SPCCと呼ばれるネパールのNPO団体が、国の依頼を受けて、ルート整備をしている。日々形を変えていく氷の地形に、ロープを設定し、はしごをかけるのだ。
この工作を行っているメンバーは、遠征隊に参加できなかったシェルパが下請けでやることが多いそうだ。
Ladder @ icefall
アイスフォールの下部では、はしごはそれほど多くない。
しかし、5段梯子という、はしごを5つロープで縦に連結した垂直梯子があった。
👟 👟 👟
6:00 フットボールフィールドと呼ばれる広くなだらかな地形に出る。
100m位の楕円の平地で、傾斜が緩やかになっている。比較的安全な、休みやすい地形だ。
我々は短い休みで一息つくと、すぐにまた歩き始めた。
Popcorn field
そこからは、ポップコーンフィールドと呼ばれる、氷がはじけている地形だ。大きな氷の塊が積み重なっている上にルートがある。氷の間はクラック(割れ目)だ。落ちるわけにはいかない。
上からは、大きなセラック(氷の塊)が覆いかぶさっている。100m単位の大きさだろう。2014年はこの一部が落ちて、沢山のシェルパが亡くなった。
氷の地面には細かく裂け目があり、水平のはしごが多くなってきた。そして、氷の上は滑るので、はしごがぐらぐらしている。
垂直はしごは、日本の山にもあるが、水平はしごはない。手すりは、たるんだロープだけ。これを手で引っ張って安定させる。慣れていないのでこわい。
ローラと言うネパールとチベットの国境となる峠が、我々の後ろに見える。そこで雪崩がおきた。大きな音だ。
ローラで雪崩がおきるということは、アイスフォールで雪崩が起きてもおかしくない気温と雪の状態だ。皆、脈拍が上がっただろう。もちろん、私も。
Icefall upper part
アイスフォールの最後に15m程の垂壁が控えている。そこはユマールで登るのだが、待ち行列で渋滞していた。一人が詰まらせると、列になってしまうのだ。Western CWM
垂壁を登ると、そこからはウエスタン・クームと呼ばれる、谷間の氷河だ。
左はエベレストの西尾根、右はヌプツェと呼ばれる急峻な山に挟まれている谷だ。そして、最奥にはローツェフェイスが立ちはだかっている。
Western CWM
一見、緩やかな雪田のようだが、ウエスタンクームの下半分は大きなクレバスが多く、道は左右に大きくくねっている。また、小さな丘のアップダウンや、水平ばしごで、結構、疲れる道なのだ。
👟 👟 👟
09:45 Camp 1に着く。標高は約6,000m。
ここは、ヌプツェからの雪崩のリスクが、多少あるところだ。
今回は順応のステップとしてここに泊まった。この次以降のアイスフォール登りでは、ここはスキップして、直接、Camp 2まで歩いた。
C1
テントで昼寝。天気がいい。暑い。30mくらい離れた隣のキャンプは、インディアンアーミーの女性部隊だ。かなりうるさい。
また、氷河の上の乾いた空気なので、みな咳が止まらない。クンブーコフが、悪化しつつあるのだろう。私も咳止めの薬を飲み、トローチを舐める。結構、効いた。
ハーディープが、C1にやってこない。シェルパが一人ついてフォローをしているが...
16:00 ハーディープがC1に到着。遅い。これは、やばいスピードだ。
17:15 消灯。SPO2は80%/96bpm。明らかに脈が速い。この高度ではしょうがないな。
4/29 @C1(6,000m)
Lotseface
この夜は、何度も起きた。昨日の昼間に寝てしまったのもあるだろう。22時、2時、5時と目が覚めた。その度、呼吸法をして寝る。
深い複式呼吸で、口を尖がらせて、強くゆっくりふく。酸素を取り込むと、体が暖まってくる。
07:00 起床。-15℃くらいか。底冷えがして、結構、寒い。これが、日が差すと、一気に暑くなるのだ。
朝飯は、お湯を沸かして、インスタントにゅうめんとチョコレート。高所で歩くときは、あまりお腹に入れたくなないので、こんなものだJaco on the ladder
08:30 出発。
最初のうちは、丘を越え、丘を越え、水平はしごを渡り、水平はしごを渡り、といった感じで、楽な道のりではない。
そして、日が差してくると、気温がぐんぐんあがる。このころには、ルートは、アップダウンが少ないなだらかな上り坂となるが、暑さでまいってしまい、息がきれる。
ローツェフェイスが、目の前に迫ってくる。遠くにCamp 2のテント群が見える。我々のC2はこのテント群のかなり上のほうに位置している。
C2 12:00 Camp 2に着いた。標高は約6,400m。
ここは、Advanced Base Campのような位置づけのキャンプだ。
大き目のダイニングテントを立て、長い滞在ができるように食料を蓄えてある。
去年C2にあげておいたダイニングテントが、残っていたらしい。かなり安定した場所だ。
ウエスタンクームのどんづまり。ローツェフェイスはすぐそこに見える。大迫力の壁だ。あそこを登るのか。
壁を眺めながらルートをシミュレーションしようかとも思ったが、やめた。時が来たら登るだけだ。
隣はIMG隊だった。IMGのクライマーはまだここまで上がってきていない。シェルパだけが滞在していたが、謎のネパール音楽をラジオで流していてうるさい。
👟 👟 👟
ハーディープは、C2へ16:30にきた。今回のローテーションでは、他の人の倍の時間がかかっている。
少し年をとったシェルパが付き添ったが、彼はあまりに遅いハーディープを待って、体が冷え切って調子を崩してしまった。少し荷物も負担したらしい。かわいそうなシェルパは、C2についてすぐ、寝込んでしまった。
シェルパごろしとは、恐ろしいぞ、ハーディープ!
Greg @ C2
グレッグは自分のハーネスが気に入らないらしい。サイズが合わないそうだ。無線でEBCに連絡して、代わりのハーネスを届けるように依頼した。
ダウンスーツも大きすぎると、ぼやいている。
彼は、本能の赴くまま、無敵モードになってきたな。恐ろしいぞ、グレッグ!
ディナーは、ダルバート。なんか、普通のネパール料理は落ち着く。
19:44 消灯
4/30 @C2(6,400m)
Chopper
C2は滞在者が多く、また滞在期間も長いので、調子を崩すものも多い。
昨晩からAltitude Junkies隊のクライマーの一人が、調子が悪く、ヘリを呼んでいた。
そして彼は、今朝来たヘリで降りていった。
今日は、休息日だ。朝からのんびりムードだ。パン、ソーセージと卵の朝食。
C2 Dining
アンドレアスもこの2日でかなり疲れたらしい。普通の速度で歩いていたと思うが、咳のせいもあるのか。
彼は、エネルギー切れだといって。シリアルにたくさんのナッツを入れ、それに砂糖をたくさんまぶし、ミルクをかけて食べていた。調子が悪いのを、食事で乗り切ろうということだが、量が半端ない。執念を感じた。
ダイスゲームをする。ヤコが25個のダイスを運んできた。偉いぞ!
👟 👟 👟
ハーディープに、ベースキャンプのラッセルから無線が入った。
ついに、この時がきた。ハーディープに、もう無理だから降りろということだった。
彼も限界を感じていたらしい。素直に従った。明日、EBCに下山する。彼の登山は終わりだ。
20:20 消灯。だいぶ冷えてきた。70/88。少し興奮気味だな。
5/1 @C2(6,400m)
朝から雪が降りだした。今日は、ローツェフェイスの取りつきまで、偵察に歩こうという予定だったが、散歩は無しだ。
朝飯が終わっても、ハーディープは起きてこない。そろそろ出発しないと、時間内にEBCにおりられないぞ、ハーディープ。
しかし、雪もやまず。天気が悪いので、ハーディープの出発も取りやめになった。
ハーディープは、昨晩、いろいろ考えたらしい。グレッグと私に相談をしてきた。
(ハーディープ)「個人的に専属シェルパを雇って、荷物とかを持ってもらえば、俺も頂上まで登れるんじゃないか?」
ポジティブ思考は大事だが、こういう反応になったのか...
確かにIMGとかでは、そういうことをして登っている人もいる。でも、ハーディープはシェルパごろしだ。並の遅さではない。荷物を持ってもらっても、まだスピードが足りない。無理だろう。
彼には、「登頂日の長い歩きを考えると、君のスピードだと途中で死んでしまうよ」と、伝えた。
そこにグレッグから驚きの一言が。
(グレッグ)「でも、とりあえず、荷物なしでローツェフェイスを登ってみて、後日、判断したら」
おー、グレッグ!それが、宣教師の導きなのか...人々に希望への道を示すんだな...
でもこの場合は、ハーディープに対して、天国への階段を示しているのでは???
ハーディープは、それはいい考えだと、さっそく無線でラッセルに伝える。
ラッセルは、即、却下し、早く降りてこいと、取り合わなかった。
👟 👟 👟
今日は、やることがない。テントでKindleを読む。ランチはピザ。午後はまたダイスゲーム。
明日はC3へ移動する予定だ。荷造りをしておく。
アンドレアスは、シリアルといろいろなナッツを混ぜて、パワーフードを作っている。ビニールに小分けにして、沢山のかたまりにしていた。
実に真面目で几帳面な奴だ。そういうのも、悪くないけど。
20:30 消灯
5/2 @C2(6,400m)
West ridge hiking
06:30 起床
C3に向けて出発する予定だったが、昨日の雪は30㎝以上積もって、ローツェフェイスは雪崩の危険がある。結局、今日は取りやめた。少し、コンサバだが順当な判断だと思う。
09:00 ハーディープが下山した。今度は、ニマという強いシェルパが付き添いについた。死ぬなよ、ニマ。
今日は寒さがきつい。-15℃くらいか。太陽が出ないので、なかなか温かくならない。
午後から、C2の裏山であるエベレストの西陵にハイキング。途中まで登った。そこそこのいい運動になって、息がきれる。アンドレアスがせき込んでいた。そして、キャンプに戻っても、彼の咳は止まらない。
夜になるとしんしんと冷えてきた。-20℃はいっている。
夕食はチャーハンとチキンだ。皆、あまり食べない。調子が落ちてきたのか?
俺も食事はセーブしている。調子を整えるためだ。
20:45 消灯
5/3 @C2(6,400m)
Lotseface approach
06:30 起床
08:30 出発 いよいよC3へ出発だ。
他の隊のキャンプを通り過ぎ、いくつもある雪の丘を乗り越えて、ローツェフェイスへ向かう。
ローツェフェイスはすぐそこに見えるが、実際は結構距離がある。道も平らに見えるが、結構な傾斜の丘を乗り越さなくてはならない。
途中で、大休止を入れ、二時間ほどで、ローツェフェイスの底のクラックの、一番右手の部分に出る。ここはクラックの底が少し広く、そして浅い。ここから、ローツェフェイスにとりつくのだ。
10:30 ローツェフェイスの取りつき
左斜め上に、トラバース気味に急坂を上る。そこから垂壁を巻くように右にカーブを描いて、長い、直上ルートになっていく。かなりの急登だ。前のほうにスローな登山者がいる。少しつまり気味になる。
振り返ると、遠くにCamp 2が見える。
Camp 3はなかなか見えない。遠くに見える丘の先か...
Looking down @ Lotseface
斜面には、ほとんど凹凸がない。途中で休めるシェルフもない。ただの氷の滑り台だ。荷物もおけないので、休止もとらない。
斜面にアイゼンは食い込むが、フットステップというほどの足場まで凹まない。立ち止まっても、たいして休めないので、ゆっくりと歩き続けるしかない。
途中で、降りてきたギャレットと会う。今度一緒にK2に行くのだ。挨拶をする。
12:30 C3 Low camp 休息
C3は、下の方と上のほうの、二か所のキャンプ場がある。この二つは、登りで二時間は離れているのだが。我々は上の方のHigh campを目指す。
Low campの中を登っていくと、キャンプ場でもルートの傾斜は結構きつい。ルートの左右の斜面の氷を切って水平の棚を作り、そこにテントが立っている。
Low campの途中で、大休止をしてから、High campに向かった。
👟 👟 👟
Low campの上にある、5mほどの雪の垂壁を、左斜め上にトラバースしてから乗り越す。そこから、直上しまた垂壁にぶつかるが、これは左折し巻いていく。そこから、また、長い直登ルートになる。
ルートの氷は、ブルーアイスやグリーンアイスになってきた。硬い。アイゼンの歯が立たない。足をけりこむ。かかとを浮かせる。いろいろな方法で登っていく。サイドステップは効かない。疲れる歩き方を続けていく。
前爪も効かなくなってきた。逆ハの字にアイゼンを置き、氷に押し付け、氷に乗る形で登る。アイゼン・スメアリングとでも言ったらいいか。腰は少し浮かせ気味で。
暑い。本当に疲れる。しかし、休めるところはない。立ち止まるのも、効率が悪そうだ。
左斜め上に、イエローバンドが見えてきた。黄色い崖だ。
そして右上には、camp 3が見える。
👟 👟 👟
14:30 C3 High camp着。7,400m。
我々とIMGはここにcampを構えている。3つのテントの小さなcampだ。
夕飯は最小限にした。具の多い味噌汁とベスパ。それから、ハイドレーションのために多めにお湯を飲む。乾いた空気の中、運動をしたので、のどがやたらと乾く。
後は、体を休める。Kindleを読んで寝る。
寒さで何度も起きた。さすがに7,000を越えると眠りが浅くなる。
5/4 @C3(7,400m)
Lotseface
06:30 起床。外に出ると、隣のテントのIMGのメンバーがうろうろしていた。
朝飯はカップみそ汁と、バウンティー。ココナッツ入りのチョコバーだ。バウンティーは寒くても比較的固くなりにくくて、味も悪くないと思う。
07:30 出発 C2へ降りる。
急坂ではあるが、すべてアームラップで降りる。下りながら、止まらずに、左手と右手を交換できるようになった。これは、なかなか良いテクニックだ。
ヤコとアンドレアスは、アームラップで腰が引けている。アスリートなので、登りは元気だが、下りはおっかなびっくりだ。
👟 👟 👟
途中で、シェルパのパサンニマと会う。ゴリラ顔の気のいいシェルパだ。IMGに参加しているそうだ。ウルケンやATのドクターニマとも会った。
シェルパは、毎年、いろいろな隊に参加してEBCにやってくる。ルート上で懐かしい顔に会える。
エベレストは、USAでいうとデナリの14th campみたいなお祭り会場だ。
ローツェフェイスの底に降りる少し手前で、日本のAG隊とすれ違った。近藤さんから、Campに遊びに来てよとお誘いを受けた。
キャンプについたが、天気は雪がちになった。
計画では、このまま数日C2で休んで、今度はサミットプッシュに向かうという計画だったが、雪のせいで、ルート工作がだいぶ遅れているらしい。抜け駆け作戦は中止だ。明日はBCに降りて、しばらく休息をとることにした。
まだ、チャンスはある。
ダウンスーツ、マスクや食料はC2に残す。食料計算をして、置いていくものを決めた。
5/5 @C2
Western CWM and Pumori
03:00 起床。軽く朝食。
04:00 出発。寒いうちに、アイスフォールを通過するのだ。
Dep from C2
暗い中をヘッドライトで進む。キャンプの中を通過しているのだが、雪でルートが消えている。途中から、キャンプの脇に出て進むが、クレバスが見えない。しばらく立ち往生した。止まると寒い。こんな所でも、動けなくなるのだ。なめちゃいけない。
5時になり明るくなってから、再度動き出す。無事、キャンプのエリアを抜け、見通しの良い雪原に出た。
長い雪原歩きのあと、横梯子をいくつも渡り、丘をアームラップで降りていく。快調に進む。
途中で、また別のシェルパ達と会う、フラとニマ。去年のK2で一緒だったシェルパだ。ヒマラヤンアドベンチャーという最近できた隊に参加していた。
C1を過ぎる。C1で隣のcampだったインドのアーミーの女子は、ごみを放置していったそうだ。これは、問題だ。我々が噂で知ったように、こういう噂は伝わるのが速い。狭いコミュニティーだから。
アイスフォールの手前で、チームの皆が追いつくのを待つ。天気がいい。
👟 👟 👟
Horizontal ladder
アイスフォールに突入する。雪と氷と日の光で美しい。ポップコーンフィールドを快調に進む。
フットボールフィールドでガスってきた。
Look down V ladder
少し休んでいると、ジョンが追い付いてくる。彼は、ディスカバーリーのカメラマンだが、もともとアメリカでガイドもやっている。山のエキスパートだ。
アイスフォールを過ぎてから、大休止。
氷の丘で睡眠をとる。しばらくして、暑いので起きた。
EBCに戻ると、シャワーを浴びて、昼飯。
そして今後の予定についてMtgを行った。最低、二日は休んでから、次のアクションだ。
グレッグは、また、自分のダウンスーツに文句を言いだした。ぶかぶかなのだ。
いやいやいや、自分で持ってきたんでしょ。
そしてハーディープに、彼が使っていたダウンスーツを譲ってもらった。
まあ、いいけど。って、皆、思ってます。
昼からビールを飲む。夜はワイン。そしてダイスゲーム。もう、EBCは平地と変わらない感覚だ。
21:30 消灯
5/6 @EBC
Avaranch of Nuptse
07:00 久々にモーニングティーで起きる。よく寝た。深い眠り。これは、低いところにいるO2効果か。
気温は0℃、湿度は86%。暖かすぎ。
テントも段々傾いてきた。そろそろリプラットフォームが必要だ。
そして天気がよい。洗濯日和だ。サミットのドレスの準備だね。
Nuptse avaranch
少し大きめの雪崩がヌプツェで起こる。最近は日に2~3度、夜にも2~3度起きている。しかし、雪が少なくなってきたので、大きめの雪崩は珍しい。
キャンプにギャレットが訪ねてきた。K2の準備の話をする。
昼食はピッツア。うま過ぎで食べ過ぎだ!
昼食にハーディープは現れなかった。クンブーコフがひどいらしい。でも夕方のダイスには参加している。夜中には故郷に電話をする。体調はよくわからないが、夜中の電話はやめよう。
21:30 消灯
5/7 @EBC
Sonam, Son Dorjee and me
07:30 起きる。日本ではGWだなと思い出す。
今日は暖かいが、深い霧だ。これでは洗濯物が乾かない。
外にでて、山を見ながら、おしゃべりをする。
シシャパンマへの遠征隊で、C1の下で数人がクレバスに落ちて亡くなったらしい。カリコブラのチームだ。友人のヘルベルトは無事だった。
09:00 テントの中は、30℃まで気温が上がった。湿度は30%まで下がったので、過ごしやすくなった。
ハーディープが下山する。さよならだ。
彼は一人一人に挨拶をした。私に対しては、お前は登山のロールモデルだといった。お前みたいになりたいとも言った。そんなに、俺たちの距離があるわけじゃない。鍛えればなれるよと返した。
EBCから去っていく彼に手を振る。
彼は、ケニアで最初のエベレスト登頂者になる筈だった。残念だ。
👟 👟 👟
我々の隊は、Meteo testという気象予報会社から、エベレストの予報を買っている。
今日は、ジェット気流の北上のタイミングと変化について確認をして、スケジュールに反映させた。
17日はよくない。その後はわからない。その前にけりをつけたいということになった。
明後日の未明に出発だ。
C1へレスキューのヘリが飛んだ。ユーゴスラビアの女性がC3で頭が痛くなり、C1まで降りてきたが、Haceを発症したらしい。脳浮腫だ。この後、亡くなったニュースはなかったので、助かったらしい。
21:40 今晩は少し酒を飲みすぎたか。消灯。
5/8 @EBC
Lunch
07:00 起床。今日もいい天気だ。エベレストの北陵は風が強いらしいが、我々の側は問題ない。
中国側から登っている倉岡さん達は、まだ時間がかかかりそうだ。
ランチは、ポテトボール、サーモン。いつもうまい。
午後は日が照ったり隠れたりを繰り返す。マットを日干しする。テントのプラットフォームは、かなりやばい感じで、周りが削れてきた。少し、昼寝をする。
18:30 ディナー。
グレッグは、衛星通信のアンテナをC2まで運んでくれと、ラッセルに頼んだ。アメリカのローカルラジオに中継をしたいらしい。
ラッセルは、考える間もなくNo!と言う
明日は、1日でCamp 2まで移動する。暑くなる前に移動するためには、早い始動が必要だ。
00:30に出発となった。
グレッグが、「それでは何時に集合するのか」と、ラッセルに聞く。
「おいおい、それは、自分で考えてくれ」ラッセルはむっとして答える。
出発前に、少し食べて落ち着く時間があればいいのだ。
さすが、グレッグ。本能で質問をする。
我々はその会話にちょっと和む。
20:00 消灯。起床まで、後、3時間半くらいだ。