Vinson massifは、標高4,892m。南極大陸の最高峰です。簡単にVinsonとも呼ばれています。
Vinsonの話をすると、南極にも高い山があるの?とよく驚かれます。南極の平均標高は2,300m弱で、他の大陸の2.5倍から4倍近く高い標高です。南極は大陸全体が、平らな山のように高いのです。
雪が沢山降るの?とも聞かれます。内陸部は砂漠のように乾いています。年間降水量は50mm位、アメリカ合衆国より大きい世界最大の砂漠地帯です。雪はあまり降らないのです。
北極とどちらが寒いの?とも聞かれます。南極の内陸の平均気温は、冬で-50℃くらい。夏で-30℃くらい。北極は冬でも-25℃くらいです。白熊は、寒すぎて南極には住めないそうです。
このように、極地という言葉通り、厳しい環境の中にVinsonはあります。
もう一つ、この登山に特別なことは、南極の夏は24時間、日が照っているということです。日光は、体やテントに照りつけて、寒さを和らげてくれると同時に、内陸性の高気圧を発生させ、天気を安定させます。南極の夏は、悪い天気が続かないのです。
厳しい環境の中でも、夏は登山者にとても優しい季節です。そして白い大地が、美しく輝く季節でもあります。
この山に、2015年01/09-01/17 の9日間の日程で登りました。前後の移動も含めると、2週間半くらいの期間です。
南極は想像していたよりも、遥か遠くまで広がり、忘れがたい景色を見せてくれました。