Diary of 5/31-
Summit climbing

Carstensz base campCarstensz Base Camp

11/30/2014 @Inda Tsiga camp(3300m 程度?)




breakfastおやじ達の朝食0530 起床
0630 ご飯。茹でたマカロニに、パックのBBQソースとツナソースをかけて食べる。どちらもまずい。
0730 なんとなくポーターが集まってきて、なんとなくわさわさして、荷物の割り振りが終わって、0830に出発

 今日は丘陵歩きと湿原歩きがメインだ。ジャングルから、ソテツの林にgrass field湿原歩き
変わっていく。スポンジのようにぶよぶよした地面を、少し沈み込みながら歩く。スパイクブーツもしっかり地面や草の根を捉えて快調だ。

 大分、歩くこつがつかめてきた。
 泥は避けるより仲良くしたほうが、楽に歩ける。
 雨はあまり気にしないことだ。
 そして、風が吹いたら積極的に受け止めて、涼しく過ごす。

おばちゃんポーター 今日は小雨がときどきぱらついたが、ザックにレインカバーをしただけで済ませた。フランス人たちは、ポンチョを持ってきていた。この気温でしっかりした雨具だと、汗をかいてしまう。ポンチョは通風性があって便利だ。

1600 エバイ(Ebai)に着いた。眺めのいい、高台にあるキャンプ場だ。Ebai campエバイキャンプ
 ただ、ここの水場は、近くに小さな水溜りしかない。そして、程なくして雨が強く降ってきて、水場が泥でにごってしまった。
 やることもないので、夜飯までテントで昼寝だ。テント内にミントスプレーをして、虫除けにした。目が覚めると、テントには蚊や蟻はいなかった。素晴らしい効果だ。

1900 夜飯はクリームスープと硬いビーフの煮込み。まあまあだ。
 今日まで便は快調に出ている。そろそろ水のせいでお腹がゆるくなりそうなので、予防で少し下痢どめを飲む。
2000 早めに寝た

grass field

12/01/2014 @Ebai camp(3700m 程度?)



0600 起床 昨晩は雨が結構降った。今は小雨だ。程なくして止んだ。朝は、茹でたスパゲティー、パックのボロネーゼソース、チキンナゲット。パック詰めのソースがいまいちなのは、しょうがないのか。

0845 出発 高台から一気に下る。300-400mくらいの標高差だろうか。今日はソテツの丘と湿原を越えていく。下って川を渡り、また登る。大きく広がる丘陵が、ジュラシックパークで見た景色のようだ。

gold砂金 小さな川を4つほど渡る。足元に小さく光る粉があった。砂金だそうだ。ここら辺の土地は金を含んでいる。

 午前は気持ちのいい歩きだったが、午後から強めの雨になった。lunch in the rain立食パーティー
 昼飯は立ったまま、傘を差して、クッキーとチョコレートを食べた。しばらくして雨は止み、また降る。

 この辺りでは、目指す山群が見えるはずなのだが、雲が垂れ込めていて裾野の方しか見えない。道は、段々と右に回りこんできて、広い湿原となった。
 先にいったポーターが、枯れ草に火をつけて野焼きをしている。ガイドに聞くと、この野焼きに意味はないそうだ。子供がふざけてやっているのだろう。良くない事だとガイドは言った。
 
panorama

1500 ナシドメ(Nasidome)のキャンプ場に着く。湿原の中で少し高めにもりあがった、乾いた土地だ。ポーターの小屋と離れている。雨が降ってきた。

 暗い空の下、寒々しく枯れ草が揺れている。ゆっくり時間が過ぎていく。霧雨が続く。
 遠くの方に、犬がいた。野良犬のようだ。人がきたので見に来たのだろう。300mくらい向こうにうずくまって、こちらを見ている。
 やがていなくなった。

1800 夕飯はチキンカレーとソーセージ。味はいいが、少し飽きてきた。
2100 寝袋でkindle。いつのまにか寝た

jaya peakJaya peak

12/02/2014 @Nasidome camp(3900m 程度?)



0600 起床 朝は柔らかいヌードルとクリームスープ。
 天気は良くなってきた。Jaya peakが見える。Jaya peakの辺りでは、小さな雲が次々と生まれているようだ。カルステンツは見えなかった。
 朝の光で見ると、Nasidomeのキャンプ場はごみに溢れている。食べ物のパッケージが主なごみだ。


wallどん突きの壁を登る0845 出発。地面が岩盤となった。limestoneだ。でこぼこした岩で、摩擦は悪くない。少し登るとまた泥と木の根の森になり、大きな湖にでた。直径300m強のBlack Lakeだ。
 湖畔を過ぎてどん突きの壁を登る。150m位の高さだが、岩と泥が交互に出てくる。実に足場が悪い道だ。

 登りきると、小さな湖があった。また少し下り、また登るとnz pass
今度は直径500m以上の大きな湖がある。湖の湖畔は湿原だが、天気も良く、快調に進んでいった。正面にJaya peakが見え、今日越えていくNew Zealand Passも見える。

 NZパスへは、正面からとりつかず、まずは、もう一つ右側のパスに向かって登っていく。大きな岩場の上に泥や草がついた滑りやすい登りだ。

nz pass climbingNZパス入口 そのパスを越えたところで左に曲がり、稜線の裏側に当たる部分を登った後、稜線の反対側にトラバースをして、NZパスの入り口のちょっと手前に出る。そこから岩場を登り、NZパスに入っていく。

 このルートを歩いていると、Oceania第二の高峰、Sumantri SFSumantri 南壁sumantri NFSumantori 北璧
Sumantriが良く見える。最初は北側からの眺め、そこから時計回りに回りながら、南側からの眺めとなる。南側から登る方が簡単なようだ。

 NZパスの中も結構、上り下りがある。標高は4500m付近。雨もなく、いい天気の中、皆、足取りが軽い。
bc lakeキャンプを望む NZパスを抜ける手前から、遠くに大きな露天掘りの鉱山が見えてくる。Freeport mineとも呼ばれるGrasberg mineだ。そして反対側の下の方に、最終キャンプ場と湖が見える。

1430 NZパスから、標高差200mの急な下りの後、キャンプ場についた。Carstensz Pyramid Base Campと呼ばれる場所だ。氷河の雪解け水が青くきれいだ。


 キャンプ場には、今日カルステンツに登ってきた先客がいた。ルーマニア人のガイドとメンバー、そしてインドネシア人のガイドの三人組だ。
 昨日は天気が悪く、彼らは登るのを見送ったが、今日は天気が良く、いい登山だったようだ。我々は、明日がターゲット日だが、天気は大丈夫だろうか。何日か予備日はあるが。。。

 このキャンプ場には、ポーターは泊まらない。少し離れたところにある、洞窟に泊まるのだ。そして、ここから2時間ほどで、鉱山のゲートに行くことができる。
 鉱山は部外者に厳しいことで有名だ。いかなる理由でも、ゲートを開いてもらえない。悪くすると拘束される。しかし、原住民の部族にはゲートを開き、中で働いている親戚に会いにいったり、買い物ができたりする。

 このキャンプに来て、今回の遠征で初めて、パルスオキシメーターを使ってみた。89% 73bpm。4300mでこの数字は、まあ、悪くないんじゃないか。
便が柔らかいのは気になる。少し下痢止めを飲んでおく。

 明日は、安全をみて、少し早めの午前2時出発にした。その時点の天気で、go, no-goを判断する。

2000 夕飯。ちょっと遅すぎだ。寝る時間があまりない。支度をして、21時に寝た。


road to camp 1

12/03/2014 @Carstensz Pyramid Base Camp(4300m 程度?)




0045 起床。朝飯は、ナゲットとヌードルスープ。
0200 予定通り、出発。最初に、middle peakと呼ばれる、稜線を乗り越える。標高差150m位を登ってから下る。結構急で、かなり滑るので、ストックを使って進んだ。

そして一時間後に、カルステンツの岸壁にとりつく。ここからは、Fixed Ropeとユマールの登りだ。

Fixed rope夜中の登攀 カルステンツの稜線まで約500mの標高差、同じ箇所に何本ものFixed Ropeが張られている。その内、安全そうなのを選んで、ユマールをかける。ここのRopeは少し太めだ。
 私はblack diamondのアッセンダーだが、このアッセンダーは癖があり、かませ方によっては馬鹿になってしまいロープが止らない。架け替えのとき、何度か怖い目を見た。

 フランス人のジェロームが浮石を踏んだ。20cmくらいの石だが、足を上げると間違いなく落石になり、後続の私にぶつかってくるので、彼が動けなくなった。仕方が無いので、ジェロームには、足をそっと動かして石を落としてもらい、私が片手で石を止めて、端によせた。と、全てが格好よく行ったわけではなく、その際に小指を少し切ってしまった。

 45度くらいの岩登りが続く。稜線までの登りの内、2回ほど、少し緩やかな斜面があったので、大きく3段登りのイメージだろうか。稜線に出る最後の登りは、足場はあるものの、垂壁に近い急登だ。ここはクライミングの経験が必要だろう。
 そういえば、この登りは、ユマールと環付カラビナをカウテールで繋いだシステムだが、登る前にシステムのチェックもしなかったし、トレーニングもしなかったな。インドネシアではそういうものか。



0500 稜線に着く。明るくなってきた。ここから先は、ユマールを使わずに、カラビナだけで進むことにする。

 途中で、有名なチロリアントラバースと2つの切り通しを渡る箇所がある。一人づつ渡るので時間がかかるが、順調に進んでいった。
tyrolean traverseチロリアンの宙吊り



0700 頂上に着く。4884m。雪は無く、暖かい。
30分もの間、写真をとり、ゆっくりしていた。


 そして稜線に沿って下り始める。途中で、ロープがばらけているところがあり、気をつかった。

 再び、岩登りの到達地点まで来た、ここからは、500mの標高差の懸垂下降だ。他のメンバーはあまり懸垂下降の経験がないらしい。足を使ってゆっくり下りている。

rapeling懸垂下降 私はルベルソキューブを持っていったが、太いロープを入れるのに大変苦労をした。8環を持って来るべきだった。
 最初に垂直に近い降下をして、何度かロープを架け替えて降りていく。 3度ほど架け替えたところで、ルベルソが熱をもったのか、いよいよロープが入らなくなった。

 そこからは、アームラップで降りていった。岩の摩擦が強めなので、rapeling 2懸垂下降 上から覗く
まだ耐えられたが、傾斜が急なところは、滑らないように祈る気持ちで、足を置いていった。
 最後に3m程の岩を越えるところで、手首にロープがまきつき、摩擦で少しやけどをした。実に神経を使う下りだった。



1200 キャンプに戻る。コカコーラが振舞われた。普段は飲まないが、こんなときは別だ。懐かしい味がした。天気もよく、暖かくのどかだ。

swimingフルチンダイブこれまでの汗を流すため、湖で泳ぐことにした。パンツをぬらすと乾かすのが大変なので、フルチンダイブだ。ポーターのおばさんが数人キャンプに来ていたので、視線を感じながら、レッツゴーだ。
 湖には粘土状の泥が積もっていて、足元はぬるぬると滑った。水は予想より冷たい。いっきに飛び込んで泳ぎだした。
 これは、0度近い水だ。やっぱり、長くはいられない。急いで、髪の毛をその場で洗い、それから、岸に引き返すことにした。岸に近づき、足で立とうとすると滑ってバランスを崩した。
 湖から上がり、タオルで拭く。
 冷てぇ~!けど、気持ちいぃ~! 思わず日本語がでた。

1500 ランチ。鳥の揚げ物、海老の揚げもの。フルーツサラダ。いいランチだ。lunch at lake

1900 ディナー。海老の揚げもの、ビーフのさいころ煮、スープ。なんか味付けが昼飯と同じだ。

 夕食時にガイが、ヘリコプターで戻るオプションを聞いた。約60万円位。ただし、明日は予定がないので、今からの手配だと3日後になる。
 帰りのジャングルを考えると、ヘリの誘惑は良く分かる。ガイは真剣に考えていたようだが、3日後ときいてあきらめた。
 私は今回はジャングル歩きに来たようなものなので、ヘリに興味はなかった。

 行きは5日間かけて、スアンガマからこのベースキャンプまできたが、帰りは同じコースを4日間で降りる。どうやって日程を縮めるのか聞いてみると、頑張るとのこと。なんだかなぁ。