BlancBlanc


 モンブランは、日本語に訳すと白き山。
 この単純な名前を持つ山は、世界中に数えきれないほどあるようです。
 しかしながら、知名度でいうならば、ここが総本山でしょう。
 
 頂上はフランスとイタリアの国境に設定され、4,810mの標高は、アルプスの最高峰であり、西ヨーロッパの最高峰です。

 山頂へのルートで、最も一般的なのは、
・モンブラン鉄道の終点駅から登り、一日目は、途中のグーテ小屋に一泊する
・小屋を翌日の深夜に出発し、頂上に登り、そのまま下山する、というパターンです
 つまり、アルプスではよくある、一泊二日で登る山です。

 また、この登山には、テクニカルな部分が少ないので、高度順応がうまくいって、体力とスピードがあれば、登り易い山となります。結果として、幅広い層の登山者が集まる山となっています。

 しかしながら、この山の登頂を阻む最大のリスクは、変わりやすく荒れやすい天気なのです。一旦荒れると、吹雪のホワイトアウトの中、細いナイフリッジを、20mの風に吹きさらされることになります。体感温度は -20~-30℃でしょう。そして、天気は時間単位で変化します。

 せっかくグーテ小屋に着いても、そこで天候が悪化して山頂へ出発できないことが、しばしば起こります。そしてシーズン中は、グーテ小屋はいつも予約で一杯なので、登れなくても次の日まで滞在を伸ばすことができません。

 結局、出たとこ勝負の天気任せとなります。
 公式の登頂率は出ていないようですが、大手のガイド会社では毎年70%くらいの数字となっていました。90%以上の会社もあるようですが、はるかに低い数字も耳にします。
 そして、無理をして事故になるケースがしばしば起きるようです。

8/11/2013 @Le Fayet



Le Fayet モンブラン鉄道(Tramway du Mont-Blanc)の始発駅ル・ファイエから電車に乗る。




 朝早い便は、100%の乗客がモンブラン登山者だろう。TMB
 荷物でいっぱいだが、皆、静かに座っている。
 終点駅のニ・デーグル(2372m)まで約1時間で到着する。



Ibex 駅を降りて、しばらくは砂利道を登っていく。
 途中にアイベックスの多く住む場所を横切るが、人馴れしているので逃げない。



 途中のテートルース小屋を過ぎると、いよいよ斜度がslope from Tate
きつくなる。
 まず、落石で有名なクーロワールを横切ってから、稜線の上まで岩山登りだ。

 写真上で、稜線の右上に見えるでっぱりがグーテ小屋だ。


クーロワール 渡ってきたクーロワールを振り返る。
 落石にあたっても、下に飛ばされないように、ガイドロープに体を結び付け、走って渡る。

 ちなみに、2015年の夏は、熱波のためにコースの氷が解け落石が頻発し、この辺りは通行止めになったそうです。
 この年は、世界中の山で熱波の影響が起きていますね。

8/12/2013 @Refuge du Gouter



Midnight Mont Blanc  小屋では深夜2時から朝食となり、2時半過ぎには皆、出発した。




 夜明け前に頂上に着き、朝焼けの美しいシルエットを見ることができた。



 下山をしながら振り返ると、朝日の中、風は穏やかで、Mont blanc morning
素晴らしい天気だった。
 上々だ。
 
 グーテ小屋を過ぎて、途中で日本人の登山者達とすれ違った。
 残念ながら、この次の日は吹雪いてしまい、彼らは頂上へ出発できなかったそうです。