aconcaguaAconcagua

 アコンカグアは、南米の最高峰、アルゼンチンの西端、チリとの国境近くにある山です。
標高は、6,962m。ほぼ7,000mであり、アジア以外の地域の最高峰でもあります。

 日本ではイモトさんのテレビ番組で有名になりました。彼女が涙の登頂断念をした山です。

一年に5,000-7,000人がこの山域を訪れて、その内、5-6割程度がアコンカグアへの登山を行うようです。高所登山としては、異様に多い登山者数です。

 この山の通常ルートは、技術的に簡単とされており、ピッケルもロープも使わず、天候によっては、アイゼンも不要です。素人が登れる(かもしれない)最高峰と呼んでいる人もいました。そこで、アルゼンチン国内を初め、南北アメリカやヨーロッパ各国から人が集まります。

 当然、その中には登山の経験が少ない人も多く、結果として、登頂率は5-6割だそうです。登山者の半分は登れないということですが、挑戦する母数が多いので、毎年、1,000-2,000人が登っていることになります。

 この山のチャレンジは、やっぱり高度順応。特に、C3に使うことが多いベルリンやコレラといったキャンプ場で、体調が悪いまま寝て高山病を悪化させ、そのまま目覚めずにお亡くなりになることが、珍しくないとか。
 高い場所まで登りやすいが故の、悲劇です。

 もう一つのチャレンジは、ビエント・ブランコ(白い嵐)と呼ばれる強い風です。一旦この風が吹くとあまりに強いので、動けなくなったり、凍傷を引き起こしたりします。テントを吹き飛ばされることもあります。

 風の日の行動を避け、高度順応をうまくやれば、登れる6,000m峰。貴重な存在です。
多くの人が、訪れるのもわかります。そして、危うさを感じます。


 この山に、2015年1/28-2/5 の9日間の日程で登りました。元々は、19日間の日程だったのですが、順応がうまく行ったので、半分で済んだことになります。

 今回のチームは、 日本人二人と組みました。以前にも一緒に高所登山をしたガイドとメンバーなのですが、彼らがアコンカグア登山を計画しているのを聞いて、混ぜてもらいました。

 結果として、天気にも恵まれ、チームの力量も安心で、比較的、お気楽な登山となりました。
 これほど、ワインを飲みまくった高所登山はなかったです。 

1/28/2015 @Penitentes - Confluencia



horconesアルゼンチンの国道7号線沿いにPenitentes村はある。ここは冬はスキーリゾートだが、夏はアコンカグアへの登山者が泊まるホテルとなる。

 このホテルから、車で10分程移動したところが、アコンカグア登山の出発点となるビジターセンターだ。この日は、ここからConfluenciaのキャンプ場まで、約3時間のトレッキングだ。
  
 行く手に、白い雪をかぶったアコンカグアが見える。


 ルートは非常に乾いていて、殆ど動物はいないが、little bird
小鳥だけは、そこら中にいた。
 道で休憩をとっていると、なにかもらおうと直ぐに近づいて来る。
 人がいないとキッチンテントの中にも入ってきて、皿を食い散らかしていた。


one person tentConfluencia camp Confluenciaに着くと直ぐにテントをたてる。
  
 Base campやConfluenciaのキャンプでは、一人用テントに寝て、キッチンテントを居間として使っていた。


 テントができると、飲みの時間だ。ワインがないとはじまらない。 wine
 
 一時間も飲むとワインが無くなったので、昼寝(シェスタ)タイム。
律儀にラテンの風習を取り入れるのだ。

soup 夕食はかぼちゃのスープとチキンソテー。
当然、またワインをあけるのだ。


1/29/2015 @Confluencia


 

miradorMirador この日は、順応のため、Mirador(展望台)と呼ばれるところまで、ハイキングに行った。
 Confluenciaの標高は3,390m。Miradorは4,000mなので、600mくらいの標高差だ。
三時間弱で着いた。
 
 アコンカグアの南壁が、雲の合間から見える。


 道端の岩の合間に、小さな花が咲いている。flower
サボテンの一種だろうか。

1/30/2015 @Confluencia - Plaza de Mulas



long beachlong beach コンフルエンシアのキャンプから、ベースキャンプとなるプラザ・デ・ムーラまで移動する。

 出発して一時間ほどで、ロングビーチと呼ばれる谷間の長い道に出た。8km程の直線で、遥か彼方に見える尖った山の麓まで続いている。歩くたびに、乾いた土が舞い上がり、ざらざらした風が吹き付ける。
  
 三時間ほどで、道は右に曲がり、谷合の山道になる。


 プラザ・デ・ムーラへは、ムーラと呼ばれる馬とロバのmulaMula
合いの子が、荷物運びをしている。道程の途中で、何度か、ムーラの隊とすれ違った。


ムーラの骨  急坂の麓に、ムーラの骨が転がっている。崖を転げ落ちたのだろうか。


 コンフルエンシアから、7時間半ほどで、プラザ・デ・ムーラにpizza
着いた。まず、ワインをあける。
 
 今日のディナーは、釜焼きのピザ。ピザと一緒にワインをもう一本!

1/31/2015@Plaza de Mulas


 
aconcaguaAconcagua - view from Bonete アコンカグアの向かい側にBoneteという山がある。標高は5,000m。順応のために、その山に登った。

 三時間程の登りで頂上に着く。頂上手前が、ざれた急坂とトラバースの悪路となっており、数百メーターほど続いている。特に下りは神経を使った。アコンカグアより厳しい道だ。いいトレーニングになった。

 Boneteから向かい側のアコンカグアを眺めると、上部キャンプとルートが良く見える。

2/1/2015 @Plaza de Mulas - Camp Alaska


 
to camp Alaska13:45 Plaza de Mulasを出発。C1に移動する。

16:45 Camp Canada着。テントが多く、水場がなさそうだったので、通過する

18:00 Camp Alaska着。5,250m。Plaza de Mulasからは、標高差950mくらいだ。カンビオ・デ・ペンディエンテとも呼ばれている。



 

 Camp Alaskaは我々しかいなかったので、テン場に、Alaska tent
好きな場所を選べた。Hillburgの大き目のテントだったので、ありがたい。
 
 水も雪解け水がふんだんに手に入ったが、21時過ぎに再び汲みに行くと、凍りついていた。


 山では、毎晩、夜1時くらいから、テントが傾ぐ強風が
吹いてきた。テントをたたく風の音も、Volume maxで、大変うるさい。
 大きな石で土台をしっかり固めることは必須だ。
弱い構造のテントでは、ポールが折れることもよくある。
 
 不思議なことに、毎朝、日が差すころになると、この風が急に弱まってくれた。
毎日、毎日、良い天気でありがたい。


tent dinner 高所キャンプでは、持って行った日本食を温めて食べる。

 今日のテントでの食事はチキン煮、牛すじ、佃煮、柿の種、ラーメン等だった。プラスチックの水筒に詰め替えて持っていったワインもあけて、ごきげんだ。
 

2/2/2015 @ Camp Alaska - Nido de Condores


 
Way to NidoWay to Nido Camp Alaskaと次のCampのNido de Condoresの標高差は300m。楽な行程だ。

 Nidoは広い。Nidoでテントをたてると直ぐに、上のCampへNidoNido de Condores
順応に出かけた。

 Camp BerlinCamp BerlinCamp Berlinに登り、Camp Corelaにトラバースして、下りてきた。5,950mまで登って順応をした。

 Nidoに戻って、日本人3人のback packerに出会った。いい水場を教えてもらった。

2/3/2015 @ Nido de Condores


 
Piedras BlancasPiedras Blancas 今日はIndependenciaの避難小屋まで登り、高度順応をする予定だ。日差しも暖かく、ゆるゆると支度をした。
 
10:15 ニドのテントを出発。
11:30 ベルリンを通過。調子よく登っている。Piedras Blancasを過ぎる。少し呼吸が激しくなる。


13:25 Independenciaに着く。independenciaIndependencia
予定では、ここまで6時間の行程だったが、3時間で着いた。
 
 ここで引き返さず、このまま頂上まで登ることにする。Go!Go!


TraverseLong Traverse Independeciaから稜線に上がり、長いトラバースが始まる。
 一気に強い横風が吹きつけ、そのままでは立っていられない。片足を壁に踏みつけ、斜めになって、歩いていく。
 
 トラバースは、斜面を横切りながら、だんだんきつい登りになっていく。
振り返ると、アンデスの山々が美しい。



 頂上に近づくと、ざれた急坂になる。カナレッタ
足元が崩れる中を、丁寧に登っていく。



カナレッタから 段々、呼吸が激しくなってきた。足は快調だが、呼吸を整えるために、スローダウンする。

 7,000mをなめるなということか。空気の薄さを感じる。高所の厳しさを感じるのは、久しぶりだ。

14:45 カナレッタと呼ばれる稜線の谷間の道に着いた。手前でしばらく休んでから、出発する。

 

15:50 頂上につく。ニドから5時間40分。天気は最高だ。summitAconcagua summit


 昨日会った日本人バックパッカーと会った。朝6時ごろ出発したそうだ。
30分程、頂上に滞在して下る。

18:30 ニドに戻る。8時間15分の行程だった。

 夜中に 日本人バックパッカーがテントに訪ねてきた。強風でテントがつぶれてしまったそうだ。一晩、泊めた。


2/4/2015 @ Nido de Condores - Plaza de Mulas

2/5/2015 @ Plaza de Mulas - Mendoza




dinner ニドをゆっくり出発して、3時間ほどで、プラザ・デ・ムーラに着く。
まずは、ワインで乾杯だ。
 
 予定外のスケジュールで登頂してしまったので、Plataという6000m峰にも登ることにする
 明日はメンドーサに戻って、ステーキを食べ、ワインを補充だ!

おまけ


 
ワイナリーWinary メンドーサには、このように美しいワイナリーが800もあるそうだ。
ワイナリー巡りは楽しいが、きりがない。


 メンドーサはステーキの街。中でも、ビーフ・デ・チョリソとビーフデチョリソ
呼ばれるサーロインステーキは、標準で500gもある。
 赤身がメインで、しかも、大変おいしい。結構、完食できるのだ。
 昼飯、夜飯と、毎日、にくにくにくの街だ。



plataの麓 プラタ山群の麓は、豊かな水流に恵まれて、緑が美しかった。


 プラタの山頂からは、雪をたたえたアコンカグアがplata summitCo. Plata Summit
良く見えた。